第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(B)問2

2022-12-25

問題

次の記述は、マイクロ波(SHF)帯の電波による通信の一般的な特徴等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 空電雑音及び人工雑音の影響が小さく、良好な信号対雑音比(S/N)の通信回線を構成することができる。
  2. 超短波(VHF)帯の電波に比較して、地形、建造物及び降雨の影響が少ない。
  3. アンテナの指向性を鋭くできるので、他の無線回線との混信を避けることが比較的容易である。
  4. 周波数が高くなるほど、アンテナを小型化できる。

解答

2

解説

マイクロ波帯の通信の特徴

マイクロ波を利用した通信の特徴に関する問題です。

マイクロ波とは、周波数300MHz~30GHzの電波のことをいいます。

その中でも、SHF帯(Super High Frequency)は、3GHzから30GHzの周波数の電波をいいます。

  1. 空電雑音及び都市雑音の影響が小さく、良好な信号対雑音比(S/N)の通信回線を構成することができる。
    →正しい。空電雑音(雷などの雑音)や都市雑音(電気機器などが発する雑音など、都市部に多く見られる雑音)は、低い周波数で影響が大きいことが知られています。
  2. 超短波(VHF)帯の電波に比較して、地形、建造物及び降雨の影響が少ない。
    →誤り。周波数が高くなるほど、降雨の影響が大きくなります。
  3. アンテナの指向性を鋭くできるので、他の無線回線との混信を避けることが比較的容易である。
    →正しい。一般に、周波数が高くなるほど、アンテナの指向性が高く、電波が直進的に伝搬します。一方、周波数が低くなるほど、指向性が低くなりますが、減衰しにくくなり、遠方まで伝搬します。
  4. 周波数が高くなるほど、アンテナを小型化できる。
    →正しい。周波数が高くなるとアンテナを小さくできます。例えば半波長ダイポールアンテナの場合、アンテナ素子の大きさは波長に依存します。λ=c/fの関係より、周波数が大きくなるほど波長が小さくなるので、結果としてアンテナ素子の大きさが小さくなります。

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