第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和5年6月 無線工学(A)問1

2023-06-22

問題

次の記述は、マイクロ波(SHF)帯の電波を利用する通信回線又は装置の一般的な特徴について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):周波数が( A )なるほど、雨による減衰が大きくなり、大容量の通信回線を安定に維持することが難しくなる。
  • (2):低い周波数帯よりも使用する周波数帯域幅が( B )ため、多重回線の多重度を大きくすることができる。
  • (3):周波数が高くなるほど、アンテナが( C )になり、また、大きなアンテナ利得を得ることが容易である。
ABC
1低く広くとれる大型
2低く狭くなる大型
3高く広くとれる小型
4高く狭くなる大型
5高く狭くなる小型

解答

3

解説

  • (1):周波数が( A )なるほど、雨による減衰が大きくなり、大容量の通信回線を安定に維持することが難しくなる。
    →周波数が高くなるほど、降雨の影響が大きくなります。
  • (2):低い周波数帯よりも使用する周波数帯域幅が( B )ため、多重回線の多重度を大きくすることができる。
    →低い周波数帯に比べて帯域幅を広く取れます。結果、低い周波数よりも、複数の信号をまとめて送れるため、多重度が上がります。
  • (3):周波数が高くなるほど、アンテナが( C )になり、また、大きなアンテナ利得を得ることが容易である。
    →周波数が高くなるとアンテナを小さくできます。例えば半波長ダイポールアンテナの場合、アンテナ素子の大きさは波長に依存します。λ=c/fの関係より、周波数が大きくなるほど波長が小さくなるので、結果としてアンテナ素子の大きさが小さくなります。

降雨減衰

大気中の雨や霧、雲などによって、電波が吸収や反射、散乱をしてしまい、減衰してしまう現象を降雨減衰といいます。

特に、雷雨や集中豪雨などのような強い雨が降る場合に、衛星放送が映らなるなどの影響が出るときがあります。

降雨減衰は十数GHzといった、周波数の高い領域で影響を受けます。

下記関係式より、周波数が高くなるほど、波長が短くなります。

そのため、波長が短くなるほど、降雨減衰の影響が大きくなります。

$$\begin{eqnarray} c&=&f\lambda \\ \lambda&=&\frac{c}{f} \\ \end{eqnarray}$$

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