第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年2月 無線工学(B)問2

2022-04-13

問題

次の記述は、直接拡散(DS)を用いた符号分割多重(CDM)伝送方式の一般的な特徴について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):CDM伝送方式は、送信側で用いた擬似雑音符号と( A )符号でしか復調できないため秘話性が高い。
  • (2):拡散後の信号(チャネル)の周波数帯域幅は、拡散前の信号の周波数帯域幅よりはるかに( B )。
  • (3):この伝送方式は、受信時に混入した狭帯域の妨害波は受信側で拡散されるので、狭帯域の妨害波に( C )。
ABC
1同じ広い強い
2同じ狭い弱い
3異なる広い弱い
4異なる狭い強い

解答

1

解説

スペクトル拡散方式

多重化(Multiplexing)の方式の1つに、CDM(Code Division Multiplexing)という方式があります。

CDMにはスペクトル拡散方式(Spread Spectrum)という通信技術が用いられています。

スペクトル拡散方式は、BPSKやQPSKなどの変調後の信号(シンボルと言います)に対し、拡散信号と呼ばれる高速の信号を掛け合せることが特徴です。

例を見てみましょう。元々のBPSKシンボルに対して、拡散符号8ビットを掛け合せた例を下記に示します。

このように、送信シンボルに拡散符号を掛け合せることを拡散といいます。

反対に、受信側では、受信した信号に対して、同じ拡散符号を掛け合せることで、シンボルを復号することができます。

これを逆拡散といいます。

スペクトル拡散方式の利点

スペクトル拡散方式の強みは、①秘匿性と、②干渉(妨害波)に強いことです。

①秘匿性について

なぜなら、受信側で送信信号と拡散符号を知らない限り、信号を復元できないからです。

逆拡散の図で、もし逆拡散をする時に、送信時とは異なる拡散符号を使ったとしても、シンボルは正しく復元できません。

下記の例を見てみましょう。

これは、受信側で拡散符号を知っており、正しく復元できた例です。

一方、拡散符号を知らないと、どうなるのでしょうか。

下記のように、偽の拡散符号を掛け合せても、BPSKシンボルを正しく復元できていません。

つまり、受信側で拡散符号を知らない限り、信号を復元することができません。

この理由から、スペクトル拡散方式は秘匿性が高いと言われています。

②干渉耐性について

なぜなら、逆拡散は、妨害波にとっては"拡散"をすることになり、妨害波の影響を希望信号に比べて低くできるからです。

例えば、下記の様なネットワークを考えてみます。

このときのスペクトル拡散の動作イメージを周波数軸で示します。

①が拡散前の信号です。

②が逆拡散後の信号です。スペクトル拡散のその名の通り、拡散後は周波数軸で広がります。

③が受信時の信号です。希望信号に加えて、干渉信号が加わっています。

④が逆拡散後の信号です。希望信号は逆拡散によって復元されますが、干渉信号にとっては拡散信号を掛け合せるために"拡散"されることとなり、干渉信号の影響が小さくなります。

これが、スペクトル拡散が干渉に強いと言われる理由なのです。

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