問題
次の記述は、自由空間における電波(平面波)の伝搬について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、電波の伝搬速度をv[m/s]、周波数をf[Hz]、波長をλ[m]とし、自由空間の誘電率をε0[F/m]、透磁率をμ0[H/m]とする。
- (1):vはfとλで表すと、v=( A )[m/s]で表され、その値は約3×108[m/s]である。
- (2):vをε0とμ0で表すと、v=( B )[m/s]となる。
- (3):自由空間の固有インピーダンスは、磁界強度をH[A/m]、電界強度をE[V/m]とすると、( B )[Ω]で表される。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | f/λ | 1/(ε0μ0) | H/E |
2 | f/λ | 1/(ε0μ0) | E/H |
3 | f/λ | 1/√(ε0μ0) | E/H |
4 | fλ | 1/√(ε0μ0) | E/H |
5 | fλ | 1/√(ε0μ0) | H/E |
解答
4
解説
電波の伝搬速度
電波の伝搬速度は、光の伝搬速度(光速)cと等しく、約3.0×108[m/s]です。
光速c[m/s]、周波数f[Hz]、波長λ[m]には下記の関係式があります。
$$c=f\lambda [\rm m/s]$$また、光速cは真空中の誘電率ε0[F/m]、透磁率μ0[H/m]を用いて、下記の通りに表されます。
$$c=\frac{1}{\sqrt{\varepsilon_0 \mu_0}} [\rm m/s]$$特性インピーダンス
電波や高周波の信号の世界では、特性インピーダンスZという伝送路の性質を表す値があり、下記の様に電界Eと磁界Hの比で表されます。
$$Z=\frac{E}{H} [\rm \Omega]$$特性インピーダンスはあくまで「伝送路の性質」を表す値であって、信号の抵抗値(流れにくさ)を表す値ではありません。
例えば、テレビの同軸ケーブルは特性インピーダンスが75Ωであることが多いですが、これは同軸ケーブルが75Ωの抵抗を持っているという意味ではなく、電界・磁界の比が75の信号を通すことができる、という意味合いで使われます。
「特性インピーダンス」は、伝送線路の「特性」を表しているのであって、実際にそのインピーダンスを持つ負荷(インダクタやコイル、抵抗など)が存在しているわけではないです。
特性インピーダンスについて - 特性インピーダンスといわゆるインピーダン… - Yahoo!知恵袋
「特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブル」と言うと、「電圧・電流比が50Ωの信号を通すことができる特性を持っている同軸ケーブル」を意味しています。決してケーブル自身が50Ωの負荷を持っている訳ではありません。