問題
アナログ伝送方式の多重化された伝送路で発生する雑音のうち、増幅器内部で発生する平均雑音電圧Eは、\(E=\sqrt{4kTRB}\)で表される。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Rは増幅器を一つの導体とみなしたときの実効抵抗を表し、Bは対象とする( )を表している。
- 変調度
- バイアス電圧
- 磁束密度
- 雑音指数
- 周波数帯域幅
解答
5
解説
熱雑音、雑音電力
どのような回路や伝送路でも、ノイズ(雑音)が発生します。これはブラウン運動といって、どんな抵抗でも、絶対温度が0でない限り、その内部で電子が不規則に振動しまうことに起因しています。
これを総称して熱雑音、または単に雑音といいます。
抵抗R[Ω]の内部で発生する雑音の電圧をVn[V]、電流をIn[A]とすると、
$$\begin{eqnarray} V_n&=&\sqrt{4kTRB} \\ I_n&=&\sqrt{\frac{4kTB}{R}} \end{eqnarray}$$と表されることが知られています。
ここで、kはボルツマン定数 1.38×10-23 [J/K])、Tは絶対温度 T=[℃]+273.15 [K]、Bは帯域幅[Hz]を表します。
これより、雑音電力Pn[W]は、以下のように求められます。
$$\begin{eqnarray} P_n=V_n I_n=4kTB \end{eqnarray}$$※雑音電力は、本によっては、定数の4を省略し、Pn=kTBと表記される場合もあります。