問題
アナログ信号を伝送する場合、大きな妨害となる雑音の一つは中継器などで発生する熱雑音であり、その値(N)は、N=kTBGFで与えられる。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Bは周波数帯域幅、Gは中継器利得、Fは( )である。
- 搬送周波数
- 変調指数
- 雑音指数
- 信号強度
- 遮断周波数
解答
3
解説
熱雑音、雑音電力
どのような回路や伝送路でも、ノイズ(雑音)が発生します。これはブラウン運動といって、どんな抵抗でも、絶対温度が0でない限り、その内部で電子が不規則に振動しまうことに起因しています。
これを総称して熱雑音、または単に雑音といっています。
雑音電力Pn[W]は下記の関係式を持つことが知られています。
$$\begin{eqnarray} P_n=kTB \end{eqnarray}$$ここで、kはボルツマン定数 1.38×10-23 [J/K])、Tは絶対温度 T=[℃]+273.15 [K]、Bは帯域幅[Hz]を表します。
※雑音電力は、本によっては、Pn=4kTBと表記される場合もあります。
また、増幅器の入力信号と出力信号を比較したとき、どのくらいSNが劣化するかを示した値を雑音指数(Noise Factor、NF;エヌエフ)と言います。
雑音指数をFとすると、Fは下記式で求められます。
$$\begin{eqnarray} F&=&\frac{S_i/N_i}{S_o/N_o} \\ &=&\frac{N_o}{GkTB} \end{eqnarray}$$ここでGは増幅器での増幅度を表します。
これより、雑音Noは下記のように表されます。
$$\begin{eqnarray} N_o&=&kTBGF \end{eqnarray}$$