問題
図に示す回路において、定格電流(最大目盛値)1[mA]、内部抵抗10[Ω]の電流計Aを用いて、定格電流10[mA]及び100[mA]の多重範囲電流計とする場合、分流回路の抵抗R1及びR2の組合せは、( )である。
- \(R_1=1[\Omega], R_2=\frac{1}{9}[\Omega] \)
- \(R_1=\frac{1}{9}[\Omega], R_2=1[\Omega] \)
- \(R_1=1[\Omega], R_2=\frac{1}{10}[\Omega] \)
- \(R_1=\frac{1}{10}[\Omega], R_2=\frac{9}{10}[\Omega] \)
- \(R_1=1[\Omega], R_2=10[\Omega] \)
解答
2
解説
分流器とは、電流計の測定範囲を大きくするために使われるものです。
下記の図のように、電流計に並列に接続した抵抗rsを分流器といいます。
では、この抵抗rsの値をどのように決めればよいでしょうか?
元々の電流計の測定範囲を、m倍に拡大するためには、
$$\begin{eqnarray} r_s=\frac{1}{m-1}r_a \end{eqnarray}$$の抵抗を並列に接続します。
この公式を用いて、問題を解きます。
各レンジに切り替えたときの等価回路は下図の通りになります。
それぞれの場合について、分流器の公式を用います。
●100[mA]のとき
$$\begin{eqnarray} R_1=\frac{1}{100-1}\times (r_a+R_2) \tag{1} \end{eqnarray}$$●10[mA]のとき
$$\begin{eqnarray} R_1+R_2=\frac{1}{10-1}\times r_a \tag{2} \end{eqnarray}$$(1)を(2)に代入します。
$$\begin{eqnarray} \frac{1}{99}(r_a+R_2)+R_2&=&\frac{1}{9}r_a \\ r_a+R_2+99R_2&=&11r_a \\ 100R_2&=&10r_a \\ R_2&=&\frac{10}{100}r_a=\frac{10\times 10}{100} \\ &=&1[\Omega] \tag{3} \end{eqnarray}$$(3)を(1)に代入します。
$$\begin{eqnarray} R_1=\frac{1}{99}(10+1)=\frac{11}{99}=\frac{1}{9}[\Omega] \end{eqnarray}$$