第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(A)問20

問題

次の記述は、自由空間における電波伝搬について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

(1):等方性アンテナから、距離d[m]のところにおける自由空間電界強度E[V/m]は、放射電力をP[W]とすると、次式で表される。

$$\begin{eqnarray} E=\frac{\sqrt{30P}}{d}[\rm{V/m}] \end{eqnarray}$$

また、半波長ダイポールアンテナに対する相対利得G(真数)のアンテナの場合、最大放射方向における自由空間電界強度Er[V/m]は、次式で表される。

Er≒( A )[V/m]

(2):半波長ダイポールアンテナに対する相対利得が15[dB]の指向性アンテナに、2[W]の電力を供給した場合、最大放射方向で、受信点における電界強度が5[mV/m]となる送受信点間距離の値は、約( B )[km]である。ただし、アンテナ及び給電系の損失はないものとし、log102の値は0.3とする。

AB
1G√(30P)/d49.6
2G√(30P)/d24.8
37√(GP)/d11.2
47√(GP)/d7.9

解答

3

解説

半波長ダイポールアンテナの電界強度

半波長ダイポールアンテナの電界強度E[V/m]は、下記の式で求められます。

$$\begin{eqnarray} E=\frac{7\sqrt{GP}}{d} [\rm{V/m}] \end{eqnarray}$$

ここで、電力P[W]、送受信点間の距離d[m]、アンテナの相対利得Gを表しています。

これをdについて解くのですが、問題文中の相対利得がデシベル表記になっているため、真数に戻します。

$$\begin{eqnarray} 15&=&10\log_{10}{G} \\ &=&\frac{1}{2} \times 30 \\ &=&\frac{1}{2} \times 100\log_{10}{2} \\ &=&50\log_{10}{2} \\ &=&10\log_{10}{2^5} \\ &=&10\log_{10}{32} \\ G&=&32 \end{eqnarray}$$

値を代入して、dについて解きます。

$$\begin{eqnarray} d&=&\frac{7\sqrt{GP}}{E} \\ &=&\frac{7\sqrt{32\times 2}}{5} \\ &=&\frac{7\sqrt{64}}{5} \\ &=&\frac{7\times 8}{5} \\ &=&\frac{56}{5} \\ &=&11.2[\rm{m}] \end{eqnarray}$$

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