問題
グレイ符号(グレイコード)による8PSKの信号空間ダイアグラム(信号点配置図)として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、I軸は同相軸、Q軸は直交軸を表す。
解答
2
解説
PSK(Phase-Shift Keying;位相偏移変調)
PSK(ピーエスケー)とは、ディジタル変調の方式の1つで、信号の位相によってディジタルデータ(0/1)の割り当てを行う方式です。
ディジタル変調方式の代表的なBPSK、QPSKと振幅、位相の関係を見てみましょう。
BPSKでは、右半分か左半分かで0/1の割り当てを決めます。
QPSKでは90°刻みに信号を割り当てます。これによって、2ビットのデータを表現できます。
8PSKは、同様の考え方で、3ビットの信号を表現した方式です。
グレイコード
グレイコード(Gray Code)とは、2進数で1ずつ増やしたときに、隣り合うビット列が1ビットしか違わない、という特徴を持つ符号です。
PSKの信号配置を行う際には、このグレイコードを用います。
具体的に、グレイコードの対応表を下記に示します。
10進数 | 2進数 | グレイコード |
---|---|---|
0 | 000 | 000 |
1 | 001 | 001 |
2 | 010 | 011 |
3 | 011 | 010 |
4 | 100 | 110 |
5 | 101 | 111 |
6 | 110 | 101 |
7 | 111 | 100 |
なぜグレイコードを用いるのでしょうか?
例えば、3と4をデータとして送ることを考えます。データをパルスとしておくることを考えたときに
011→100
と、各ケタにて瞬時に0↔1を切り替えらればよいのですが、実際には
011→111→101→100
と100に切り替えるまでに、このような段階を踏む必要があります。
そのため、もし切り替えに遅延があり、この切り替え途中でデータを読み出してしまうと、誤りが生じてしまいます。
一方、グレイコードを用いると、この反転作業が
010→110
と1回で済むため、このような読み取りの際の誤差が生じることがありません。