第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和5年10月 無線工学(B)問2

2023-12-06

問題

次の記述は、デジタル伝送方式における標本化定理について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):入力信号が周波数f0 [Hz]よりも高い周波数成分を含まない信号(理想的に帯域制限された信号)であるとき、繰返し周波数が( A ) [Hz]よりも大きいパルス列で標本化を行えば、標本化されたパルス列から原信号(入力信号)を( B )できる。
  • (2):標本点の間隔が( C )[s]となる間隔をナイキスト間隔という。通常これより短い間隔で標本化を行う。
ABC
12f0再生2/f0
22f0拡散2/f0
32f0再生1/(2f0)
4f0/2拡散2/f0
5f0/2再生1/(2f0)

解答

3

解説

入力信号の最大周波数がf0のとき、1/(2f0)より短い間隔(=2f0よりも大きい周波数)でサンプリングを行うと、元の信号を再生できます。

これを標本化定理と言います。

標本化定理

標本化定理とは、アナログ信号をディジタル信号に変換する際に、どのくらいの間隔で標本化をすればよいのかを示したものです。

アナログ信号をディジタル信号に変換するには、標本化、量子化、符号化という3ステップを踏みます。

また、標本化を英語でサンプリング(sampling)とも言います。

ここで問題となるのが、サンプリングをどのくらいの間隔で行えばよいのでしょうか?

というのも、細かくやるとサンプル数が多くなりますし、少なすぎるとちゃんと元の信号を復元できるのでしょうか。

その答えが標本化定理なのです。

具体的には、アナログ信号を最大周波数の2倍より大きな周波数でサンプリングすると、ディジタル信号から元のアナログ信号を復元できます。

また、サンプリングをする間隔をサンプリング周期やサンプリング間隔といい、1秒間に行うサンプリングの回数をサンプリング周波数や標本化周波数と言います。

数式で表すと、サンプリング周波数fsと元の周波数fには、下記の関係式が成り立ちます。

$$\begin{eqnarray} f_s>2f \end{eqnarray}$$

また、周波数と周期は逆数の関係があるので、サンプリング間隔Tsと周波数fには、下記の関係式が成り立ちます。

$$\begin{eqnarray} T_s<\frac{1}{2f} \\ \end{eqnarray}$$

つまり、元の信号の半分より短い周期でサンプリングをすれば信号を復元できる、ということを意味します。

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