第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和2年2月 無線工学(A)問12

2020-09-03

問題

次の記述は、無線LANや携帯電話などで用いられるMIMO(Multiple Input Multiple Output)の特徴などについて述べたものである。 (  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):MIMOでは、送信側と受信側の双方に複数のアンテナを設置し、送受信アンテナ間に( A )の伝送路を形成して、空間多重伝送による伝送容量の増大の実現を図ることができる。
  • (2):例えば、ある基地局からある端末への通信(下りリンク)において、基地局の複数の送信アンテナから異なるデータ信号を送信しつつ、端末の複数の受信アンテナで信号を受信し、( B )により送信アンテナ毎のデータ信号に分離することができ、新たに周波数帯域を増やさずに( C )できる。
ABC
1単一信号処理高速伝送
2単一グレイ符号化伝送遅延を多く
3複数グレイ符号化伝送遅延を多く
4複数グレイ符号化高速伝送
5複数信号処理高速伝送

解答

5

解説

MIMO(multiple-input multiple-output、マイモ)は、送信機、受信機に複数アンテナを設置することで、マルチパスフェージング環境下での高速通信を実現する手法です。

無線LANや4G、5Gなどの無線通信に採用されています。

MIMOのイメージ

送信側、受信側双方に複数アンテナを設置した場合のデータ伝送イメージを下記に示します。

それぞれのアンテナからデータ(シンボルs1、s2、s3、s4)を送ることを考えてみましょう。

例として、一番上のアンテナに着目してみます。

理想的には、s1を送るアンテナから、s1を取り出すアンテナへ対してのみ、データを送信できれば理想的です。

しかし、そのまま送っただけだと、s1を取り出すアンテナではs2、s3、s4の信号も受信してしまうため、混信(干渉)してしまい、データを区別できません。

そのため、送信側および受信側で信号処理(データの加工)を施すことで、データを分離しているのです。

これを空間多重伝送といいます。

MIMOの空間多重伝送によって、データを複数個、同時に送ることができるため、高速通信を実現できるのです。

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