第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年6月 無線工学(A)問1

2021-06-20

問題

次の記述は、マイクロ波(SHF)帯を利用する通信回線又は装置の一般的な特徴について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):周波数が高くなるほど、( A )が大きくなり、大容量の通信回線を安定に維持することが難しくなる。
  • (2):低い周波数帯よりも使用する周波数帯域幅が( B )とれるため、多重回線の多重度を大きくすることができる。
  • (3):周波数が( C )なるほど、アンテナが小型になり、また、大きなアンテナ利得を得ることが容易である。
ABC
1フレネルゾーン広く低く
2フレネルゾーン狭く高く
3雨による減衰狭く低く
4雨による減衰広く高く

解答

4

解説

マイクロ波を利用した通信の特徴に関する問題です。

マイクロ波とは、周波数300MHz~30GHzの電波のことをいいます。

その中でも、SHF帯(Super High Frequency)は、3GHzから30GHzの周波数の電波をいいます。

降雨減衰

大気中の雨や霧、雲などによって、電波が吸収や反射、散乱をしてしまい、減衰してしまう現象を降雨減衰といいます。

特に、雷雨や集中豪雨などのような、強い雨が降る場合、衛星放送が映らなくなるなどの影響が出るときがあります。

降雨減衰は、十数GHzといった、周波数の高い領域で影響を受けます。

周波数帯域幅

周波数帯域幅は、低い周波数帯よりも、高い周波数帯のほうが広く取れます。

アンテナの大きさ

アンテナの特性と波長には関連があるため、アンテナは波長の長さに応じて設計を行っています。

そのため、波長が長いほどアンテナが大きくなり、波長が小さいほどアンテナが小さくなります。

また、波長と周波数には下記の関係があります。

$$\lambda=\frac{c}{f} [\rm m/s]$$

※λ[m]は波長、c[m/s]は光速、f[Hz]は周波数を表しています。

これより、周波数が高くなるほど、波長が小さくなります。

つまり、周波数が高くなるほど、アンテナを小さくできます。

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