問題
次の記述は、対地静止衛星を利用する通信について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。
- 衛星の電源には太陽電池が用いられるため、年間を通じて電源が断となることがないので、蓄電池等は搭載する必要がない。
- 衛星通信に10[GHz]以上の電波を使用する場合は、大気圏の降雨による減衰が少ないので、信号の劣化も少ない。
- 3機の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、地球上のすべての地域をカバーする通信網が構成できる。
- 衛星通信では、一般に送信地球局から衛星へのアップリンク用の周波数と衛星から受信地球局へのダウンリンク用の周波数が対で用いられる。
- VSAT制御地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを、VSAT地球局には大口径のカセグレンアンテナを用いることが多い。
解答
4
解説
静止衛星について
1.衛星の電源には太陽電池が用いられるため、年間を通じて電源が断となることがないので、蓄電池等は搭載する必要がない。
→誤り。太陽電池は、ソーラーパネルで発電した電気を蓄電池で保存して利用するため、蓄電池は必須です。
2.衛星通信に10[GHz]以上の電波を使用する場合は、大気圏の降雨による減衰が少ないので、信号の劣化も少ない。
→誤り。降雨減衰は周波数の高い領域で影響を受けます。
3.3機の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、地球上のすべての地域をカバーする通信網が構成できる。
→誤り。3つの衛星で極地域(北極・南極)を除くエリアをカバーできます。
4.衛星通信では、一般に送信地球局から衛星へのアップリンク用の周波数と衛星から受信地球局へのダウンリンク用の周波数が対で用いられる。
→正しい。衛星通信ではアップリンクとダウンリンクの周波数を別に確保し、それを1つのペアとして用います。
例えば、VSATシステムでは、下記の様に周波数の割り当てがされています。
5.VSAT制御地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを、VSAT地球局には大口径のカセグレンアンテナを用いることが多い。
→誤り。記述が反対。VSAT制御地球局には大口径のカセグレンアンテナを、VSAT地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを用います。VSAT(Very Small Aperture Terminal)とは、通信衛星を用いた通信システムのことです。
