第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年6月 無線工学(B)問1

問題

次の記述は、マイクロ波(SHF)帯の電波による通信の一般的な特徴等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 低い周波数帯よりも空電雑音及び都市雑音の影響が小さく、良好な信号対雑音比(S/N)の通信回線を構成することができる。
  2. アンテナの指向性を鋭くできるので、他の無線回線との混信を避けることが比較的容易である。
  3. 超短波(VHF)帯の電波に比較して、地形、建造物及び降雨の影響が少ない。
  4. 低い周波数帯よりも使用する周波数帯域幅が広くとれるため、データ伝送速度を上げることができる。

解答

3

解説

マイクロ波を利用した通信の特徴に関する問題です。

マイクロ波とは、周波数300MHz~30GHzの電波のことをいいます。

その中でも、SHF帯(Super High Frequency)は、3GHzから30GHzの周波数の電波をいいます。

  • 1.低い周波数帯よりも空電雑音及び都市雑音の影響が小さく、良好な信号対雑音比(S/N)の通信回線を構成することができる。
    →正しい。空電雑音は雷などにより生じる雑音ですが、主に低周波数帯で影響を受けます。
  • 2.アンテナの指向性を鋭くできるので、他の無線回線との混信を避けることが比較的容易である。
    →正しい。一般に、周波数が高くなるほど、アンテナの指向性が高く、電波が直進的に伝搬します。一方、周波数が低くなるほど、指向性が低くなりますが、減衰しにくくなり、遠方まで伝搬します。
  • 3.超短波(VHF)帯の電波に比較して、地形、建造物及び降雨の影響が少ない。
    →誤り。周波数が高くなるほど、降雨減衰も大きくなります。
  • 4.低い周波数帯よりも使用する周波数帯域幅が広くとれるため、データ伝送速度を上げることができる。
    →正しい。

降雨減衰

大気中の雨や霧、雲などによって、電波が吸収や反射、散乱をしてしまい、減衰してしまう現象を降雨減衰といいます。

特に、雷雨や集中豪雨などのような、強い雨が降る場合、衛星放送が映らなくなるなどの影響が出るときがあります。

降雨減衰は、十数GHzといった、周波数の高い領域で影響を受けます。

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