問題
次の記述は、一般的な無停電電源装置について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
- (1):定常時には、商用電源からの交流入力が( A )器で直流に変換され、インバータに直流電力が供給される。インバータはその直流電力を交流電力に変換し負荷に供給する。
- (2):商用電源が停電した場合は、( B )電池に蓄えられていた直流電力がインバータにより交流電力に変換され、負荷には連続して交流電力が供給される。
- (3):無停電電源装置の出力として一般的に必要な( C )の交流は、インバータのPWM制御を利用して得ることができる。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 変圧 | 二次 | 定電圧、定周波数 |
2 | 変圧 | 一次 | 可変電圧、可変周波数 |
3 | 整流 | 一次 | 定電圧、定周波数 |
4 | 整流 | 一次 | 可変電圧、可変周波数 |
5 | 整流 | 二次 | 定電圧、定周波数 |
解答
5
解説
無停電電源装置(UPS)
無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply)とは、英語名からUPSとも言い、電力の停電時にバッテリーから電力を供給する装置のことを言います。
※バッテリーのことを二次電池や蓄電池、単に電池などとも言います。
UPSとは、電源装置の一種で、二次電池など電力を蓄積する装置を内蔵し、外部からの電力供給が途絶えても一定時間決められた出力で外部に電力を供給することができる装置のこと。
一般的には、通常の商用電源(家庭用の100V交流電源など)に接続して給電を受け、同じ規格の電力を外部に供給する装置を意味する。コンピュータなどの電気機械をUPSを介して電源に接続することにより、停電が起きても暫くの間稼働を続けることができ、また、落雷などによる電源の瞬断や一時的な電圧低下などの影響を回避することができる。
UPS(無停電電源装置)とは - IT用語辞典 e-Words
UPSの構成
代表的なUPSの構成として、下記の2つがあります。
- 常時商用給電方式
通常時は商用電源を直接供給し、停電時にバッテリー給電のルートに切り替える方法。停電時に商用給電からバッテリー給電へ切り替えるために、瞬断が発生する。 - 常時インバータ給電方式
通常時もコンバータ~バッテリー~インバータのルートを介して給電する方式。停電時も瞬断が発生せずに電源供給を継続できる。
コンバータとインバータ
バッテリー(つまり電池)は直流の電圧しか扱えません。一方、商用電源は交流の電圧です。
そのため、バッテリーへ充電する際、またバッテリーから負荷へ電源を供給する際には、直流と交流の電圧を変換する必要があります。
交流→直流への変換器を整流器、直流→交流への変換器をインバータと言います。
まとめると、下記の通りです。
- 交流→直流への変換器:整流器、AC/DCコンバータという。
- 直流→交流への変換器:DC/ACインバータ、または単にインバータという。PWM制御方式が一般的に使われる。
CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)
CVCFとは、定電圧定周波数装置のことで、常に一定の電圧および周波数で電源供給する交流電源のことを言います。
具体的には、整流器とインバータで構成される装置を指し、CVCFは電源を安定化させる働きがあります。
なぜなら、商用電源が不安定な電圧だったときに、この整流器とインバータを介すことで、電源電圧と周波数が正常な波形にて出力できるからです。
上記の図の通り、UPSには整流器とインバータを備えているため、CVCFによる安定化の機能を備えています。