第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和5年10月 無線工学(B)問21

2023-12-25

問題

次の記述は、極超短波(UHF)帯の対流圏内電波伝搬における等価地球半径等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。ただし、大気は標準大気とする。

  1. 等価地球半径は、真の地球半径を3/4倍したものである。
  2. 大気の屈折率は、地上からの高さとともに減少し、大気中を伝搬する電波は送受信点間を弧を描いて伝搬する。
  3. 送受信点間の電波の通路を直線で表すため、仮想した地球の半径を等価地球半径という。
  4. 電波の見通し距離は、幾何学的な見通し距離よりも長い。

解答

1

解説

見通し距離と等価地球半径

下図のA点とB点があった場合、お互いが見通せる距離の範囲dは、下記の様に算出できることが知られています。

等価地球半径係数K=1のとき

$$d\simeq 3.57(\sqrt{h_1}+\sqrt{h_2})$$

等価地球半径係数K=4/3のとき

$$d\simeq 4.12(\sqrt{h_1}+\sqrt{h_2})$$

このdを超えると、見通しがなくなるために電波が届かなくなり、通信を行うことが困難になってしまいます。

ここで、等価地球半径係数Kとは何なのでしょうか?

これは、実際の伝搬状況を考慮した補正係数を意味しています。

というのも、実際の電波伝搬は、大気中での屈折があるため、直線的な伝搬よりさらに遠くへ伝搬します。

この実際の伝搬状況について、2点間の距離を直線として表すためには、実際の地球より半径を4/3倍します。

これを等価地球半径といい、この計数を等価地球半径計数と言います。

大気中での屈折を考慮しない場合がK=1、考慮する場合がK=4/3となっています。

-第一級陸上特殊無線技士
-,

© 2024 はちさんの通信系資格ブログ