問題
次の記述は、図に示すサーキュレータについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
- 端子①からの入力は端子②へ出力され、端子②からの入力は端子③へ出力される。
- 端子①へ接続したアンテナを送受信用に共用するには、原理的に端子②に受信機を、端子③に送信機を接続すればよい。
- フェライトを用いたサーキュレータでは、これに静電界を加えて動作させる。
- 3個の入出力端子の間には互に可逆性がない。
解答
3
サーキュレータには磁界を加えて動作させます。
解説
サーキュレータ
サーキュレータとは、特定の端子から入力信号が、別の特定の端子からのみ出力される性質を持つ素子です。
中央部分に磁化されたフェライトがあることが特徴的です。
下記の図を例に説明します。端子①から入った信号は端子②からのみ出力され、端子③には信号は出力されません。同様に、端子②から入った信号は端子③のみから出力され、端子③から入った信号は端子①からのみ出力されます。
なぜこのような役割をする素子が必要になるのでしょうか?
このような素子は、送信機と受信機でアンテナを共有するための、アンテナ共用器に利用されています。
例えば、下図を例に説明します。
送信機からの信号は、アンテナの方向だけに出力することが理想的です。というのも、受信機の方向にも信号が出てしまうと、干渉を起こしてしまいます。
反対に、アンテナから受信した信号は、受信機方向のみに出力することが理想的で、送信信号に対する干渉を引き起こしてしまうからです。
この仕組みを成り立たせるのが、フェライトです。
フェライトに電波が通過すると、磁界に対してファラデー回転と呼ばれる現象が起こり、反射した波が1方向にしか通過しなくなるという性質を持ちます。
参考文献
第5回 無線技術の発展を支えたマテリアル 高周波用フェライト|フェライト・ワールド|TDK Techno Magazine
サーキュレータはどこに使用されますか | よくある質問 | TDK プロダクトセンター
サーキュレータとは何ですか | よくある質問 | TDK プロダクトセンター
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