第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(B)問5

2022-12-28

問題

次の記述は、半導体素子の一般的な働き又は用途について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):バラクタダイオードは、( A )として用いられる。
  • (2):ツェナーダイオードは、主に( B )電圧を加えたときの定電圧特性を利用する。
  • (3):トンネルダイオードは、その( C )の電圧-電流特性にトンネル効果による負性抵抗特性を持っており、応答特性が速いことを利用して、マイクロ波からミリ波帯の発振に用いることができる。
ABC
1可変静電容量素子順方向逆方向
2可変静電容量素子逆方向順方向
3可変抵抗素子順方向順方向
4可変抵抗素子逆方向逆方向
5可変抵抗素子順方向逆方向

解答

2

解説

ツェナーダイオード

ツェナーダイオードは、定電圧ダイオードともよばれ、一定の電圧を取り出すために使われるダイオードです。

通常のダイオードと、ツェナーダイオードの比較を下記に示します。

通常のダイオードでは、電圧を上げていくと、約0.7[V]以上になったときに、ダイオードに電流が導通するようになります。

これを順方向特性といいます。

ツェナーダイオードも同様で、電圧を上げていくと、約0.7[V]以上になったときに、ダイオードに電流が導通するようになります。

一方、ツェナーダイオードには、別の特徴もあります。それが、逆方向特性です。

順方向と同じ考えで、マイナスの電圧をかけていくと、ある一定の電圧以上でダイオードに電流が導通するようになります。

これをツェナー降伏といいます。

逆を言えば、ツェナーダイオードにマイナスの電流が流れると、一定の電圧を得られる、ともいうことができます。

このように、ツェナーダイオードは、ツェナー降伏を利用して、定電圧を得る目的で使われています。

バリキャップ

可変容量ダイオードやバラクタとも呼ばれるダイオードです。

「可変容量」という名の通り、逆方向電圧をかけることで、静電容量が変化するという特徴を持っています。

原理としては、逆方向電圧を加えると、その大きさによって、アノードとカソードの間に空乏層と呼ばれる層の大きさが変化します。

この空乏層がコンデンサの電極間と同じ働きをするため、空乏層の大きさによって、静電容量を変化させることができます。

フォトダイオードとLED

光→電気に変換するものがフォトダイオード、電気→光に変換するのは発光ダイオード(LED)です。

トンネルダイオード

トンネルダイオードは江崎ダイオードとも呼ばれるダイオードです。

通常のダイオードと比べて、不純物濃度が非常に高いという特徴があります。

この結果、アノードとカソードの間にある空乏層と呼ばれる層が非常に薄くなり、本来通れないはずの正孔や電子が通り抜けてしまいます。

これをトンネル効果といいます。

しかし、一定の電圧以上になると、トンネル効果が弱くなり、通り抜けにくくなるため、電流が減少します。

これを負荷抵抗特性といいいます。

トンネル効果と負荷抵抗特性をグラフにすると、下記のようなイメージになります。

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