第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年6月 無線工学(A)問16

2022-07-04

問題

次の記述は、ドップラー効果を利用したレーダーについて述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。なお、同じ記号の(  )内には、同じ字句が入るものとする。

  • (1):アンテナから発射された電波が移動している物体で反射されるとき、反射された電波の( A )はドップラー効果により偏移する。移動している物体が、電波の発射源に近づいているときは、移動している物体から反射された電波の( A )は、発射された電波の( A )より( B )なる。
  • (2):この効果を利用したレーダーは、移動物体の速度測定、( C )などに利用される。
ABC
1振幅低く竜巻や乱気流の発見や観測
2振幅高く海底の地形の測量
3周波数低く竜巻や乱気流の発見や観測
4周波数低く海底の地形の測量
5周波数高く竜巻や乱気流の発見や観測

解答

5

解説

ドップラー効果

携帯電話やスマートフォンの利用場面を想定すると、通信中に移動することはよくある光景です。

このとき、端末側ではドップラー効果(ドップラーシフト)と呼ばれる周波数のズレを生じます。

ドップラーシフトは、下記の計算式で求められれます。

$$\begin{eqnarray} f_D=\frac{v}{c}f \end{eqnarray}$$

ここで、fD[Hz]をドップラー周波数、v[m/s]を端末が移動する速度、c[m/s]を光速、f[Hz]を搬送波の周波数を表します。

この式より、周波数が高いほど、また移動速度が速いほどドップラーシフトの影響を受けることになります。

ドップラー効果の有名な例として、救急車のサイレンがあります。

救急車が自分に近づくと音が高くなり(=周波数が高くなり)、自分から遠ざけると音が低くなっていきます(=周波数が低くなる)。

気象用のレーダーは、この性質を利用して、竜巻が近づいたり遠ざかったりするといった、気流の観測を行っています。

その他、移動物体の速度の測定にも用いられています。

顕著な渦が存在するときのドップラー速度パターン
出典:気象庁

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