第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和2年2月 無線工学(A)問13

2020-09-04

問題

次の記述は、衛星通信に用いられる多元接続方式及び回線割当方式について述べたものである。 (  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

(1) 各地球局がデジタル変調された搬送波を用いて、通信衛星の中継器を時分割で使用する方式をTDMA方式といい、断続する搬送波が互いに重なり合わないようにするため、( A )を設ける必要がある。

(2) 回線割当方式は大別して二つあり、このうち地球局にあらかじめ所定の衛星回線を割り当てておく方式を( B )方式という。

AB
1ガードタイムプリアサイメント
2ガードタイムデマンドアサイメント
3ガードバンドデマンドアサイメント
4ガードバンドプリアサイメント

解答

1

解説

TDMA方式で搬送波が互いに重なり合わないようにするための時間間隔をガードタイムと言います。

また、事前にチャネルを割り当てる方式をプリアサイン方式と言います。

多元接続(Multiple Access)

宇宙局(衛星)と比べて地球局の数の方が多いため、複数の地球局同士で、通信路を共有する必要があります。

なぜなら、複数の地球局が一斉に宇宙局に通信すると、お互いの電波が干渉し、通信が失敗するからです。

つまり、何らかのチャネル(周波数、時間、符号、空間など)を共有し、割り当てられた周波数帯域を地球局同士で共有する仕組みが必要となります。

これを多元接続(Multiple Access)と言います。

代表的には下記の4通りがあります。

  • FDMA(Frequency Division Multiple Access、周波数分割多元接続)
    周波数帯を分割して割り当てることで、干渉しないように通信する方式
  • TDMA(Time Division Multiple Access、時分割多元接続)
    通信できる時間を細切れに分割し、通信できる時間を割り当てる方式
  • CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多元接続)
    拡散符号と呼ばれる特別な符号を地球局へ割り当て、地球局を識別できるようにする方式
  • SDMA(Space ivision Multiple Access、空間分割多元接続)
    アンテナの指向性を利用し、干渉を防ぐことで同時に通信をできるようにする方式

回線割り当て方式

多元接続を実現するにあたり問題となるのが、どのようにチャネル(周波数、時間、符号、空間など)を地球局に割り当てるか、という問題です。

地球局が少ない時代は、固定的に決まったチャネルを地球局に割り当てていました。これをプリアサイン方式といいます。

しかしながら、固定的に割り当てると、多元接続できる数が限られてきます。

というのも、地球局がその割り当てられたチャネルを利用していない場合でも、そのチャネルを占有しているからです。

この無駄を無くし多数の地球局が通信できるようにするために、地球局は通信をしたい時に、空いているチャネルを選択する方式が考えられました。

これをデマンドアサイン方式と言います。

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