第一級陸上特殊無線技士

一陸特 平成30年10月 無線工学(B)問20

2022-11-01

問題

次の記述は、電波の対流圏伝搬について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。

  1. 標準大気中では、電波の見通し距離は幾何学的な見通し距離と等しい。
  2. 標準大気中では、等価地球半径は真の地球半径より小さい。
  3. ラジオダクトが発生すると電波がダクト内に閉じ込められて減衰し、遠方まで伝搬しない。
  4. 標準大気の屈折率は、地上からの高さに比例して増加する。
  5. 標準大気のときのM曲線は、グラフ上で1本の直線で表される。

解答

5

解説

ラジオダクト

気象条件や天候により、大気の屈折率が変化します。

すると、電波がうまく反射して遠くへ届いてしまう層ができてしまうことがあります。

これをラジオダクトと呼んでいます。

修正屈折指数とラジオダクト

電波は障害物がなければ基本的には直進します。

しかし、気象条件や天候によって圧力、温度、湿度など大気の状態が変化します。

その結果、大気の屈折率が変化し、電波の経路が曲がります。

この屈折率の変化を表すために、屈折指数Nという係数が用いられます。

加えて、地球の球面を考慮するために屈折指数を補正した値を、修正屈折指数Mといいます。

修正屈折指数Mと高度(高さ)hの関係を下図に示します。

修正屈折指数Mと高度(高さ)hの関係を示したグラフをM曲線といいます。

標準大気では、高度が高くなると、修正屈折指数も大きくなります。

一方、大気の状態によっては、高度が上昇しても修正屈折指数Mが小さくなる場合があります。

この逆転層の部分をラジオダクトいい、このダクトを通じて電波が遠方まで届いてしまうのです。

ラジオダクトのうち、逆転層が上空にあるラジオダクトをS形ラジオダクトといい、逆転層が地面と接しているラジオダクトを接地形ラジオダクトといいます。

参考文献

-第一級陸上特殊無線技士
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