問題
デジタル衛星通信などで用いられる時分割多元接続方式は、( )という利点を持っている。
- スペクトルを拡散して送信するため、干渉波や妨害波の影響を少なくすることができる
- 複数の基地局からの送信を一つの無線搬送周波数で処理できる
- 2基地局間の固定通信に適し、伝送帯域が小さくて済む
- 多数の無線搬送波を使用するため、フェージングの影響を抑圧できる
- 各基地局間の送信時間の同期をとる必要がない
解答
2
解説
時分割多元接続(TDMA)を用いると、時間で分けることで1つの周波数を複数の局と共有できますので、2が正解です。
また、TDMAでは、各局のデータを送信するタイミングを知らないと、干渉が発生してしまうため、同期が必須です。
以下、衛星通信の例で説明します。
多元接続(Multiple Access)
宇宙局(衛星)と比べて地球局の数の方が多いため、複数の地球局同士で、通信路を共有する必要があります。
複数の局が一斉に宇宙局に通信すると、お互いの電波が干渉し、通信が失敗するからです。
つまり、何らかのチャネル(周波数、時間、符号、空間など)を共有し、割り当てられた周波数帯域を地球局同士で共有する仕組みが必要となります。
これを多元接続(Multiple Access)と言います。

代表的には下記の4通りがあります。
- FDMA(Frequency Division Multiple Access、周波数分割多元接続)
周波数帯を分割して割り当てることで、干渉しないように通信する方式 - TDMA(Time Division Multiple Access、時分割多元接続)
通信できる時間を細切れに分割し、通信できる時間を割り当てる方式 - CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多元接続)
拡散符号と呼ばれる特別な符号を地球局へ割り当て、地球局を識別できるようにする方式 - SDMA(Space Division Multiple Access、空間分割多元接続)
アンテナの指向性を利用し、干渉を防ぐことで同時に通信をできるようにする方式
