第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年6月 無線工学(B)問3

2024-07-08

問題

次の記述は、図に示すサーキュレータの原理、動作等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 端子①からの入力は端子②へ出力され、端子②からの入力は端子③へ出力される。
  2. 端子①へ接続したアンテナを送受信用に共用するには、原理的に端子②に送信機を、端子③に受信機を接続すればよい。
  3. 端子間を結合する回路をフェライトで挟む等の構造を持ち、これに直流磁界を加えて動作させる。
  4. 3個の入出力端子の間には互いに可逆性がない。

解答

2

端子①へアンテナを接続する場合には、端子③に送信機を、端子②を受信機を接続します。

解説

サーキュレータ

サーキュレータとは、特定の端子から入力信号が、別の特定の端子からのみ出力される性質を持つ素子です。

中央部分に磁化されたフェライトがあることが特徴的です。

導波管サーキュレータ

下記の図を例に説明します。端子①から入った信号は端子②からのみ出力され、端子③には信号は出力されません。同様に、端子②から入った信号は端子③のみから出力され、端子③から入った信号は端子①からのみ出力されます。

なぜこのような役割をする素子が必要になるのでしょうか?

このような素子は、送信機と受信機でアンテナを共有するための、アンテナ共用器に利用されています。

例えば、下図を例に説明します。

送信機からの信号は、アンテナの方向だけに出力することが理想的です。というのも、受信機の方向にも信号が出てしまうと、干渉を起こしてしまいます。

反対に、アンテナから受信した信号は、受信機方向のみに出力することが理想的で、送信信号に対する干渉を引き起こしてしまうからです。

この仕組みを成り立たせるのが、フェライトです。

フェライトに電波が通過すると、磁界に対してファラデー回転と呼ばれる現象が起こり、反射した波が1方向にしか通過しなくなるという性質を持ちます。

参考文献

第5回 無線技術の発展を支えたマテリアル 高周波用フェライト|フェライト・ワールド|TDK Techno Magazine

サーキュレータはどこに使用されますか | よくある質問 | TDK プロダクトセンター

サーキュレータとは何ですか | よくある質問 | TDK プロダクトセンター

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