第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年10月 無線工学(B)問8

2024-12-02

問題

次の記述は、デジタル信号の復調(検波)方式について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):一般に、搬送波電力対雑音電力比(C/N)が同じとき、理論上では遅延検波は同期検波に比べ、符号誤り率が( A )。
  • (2):遅延検波は、1シンボル( B )の変調されている搬送波を基準信号として位相差を検出する方式である。
AB
1大きい
2大きい
3小さい
4小さい

解答

2

解説

復調(検波)

送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。

特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。

検波には、同期検波と遅延検波の2つの方法があります。

同期検波

検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。

例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。

搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。

ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。

これが同期検波の仕組みです。

同期検波は、遅延検波よりビット誤り率が優れています。

遅延検波

ただし、同期検波では搬送波再生回路が必要となるため、より安価・簡単な回路構成で検波を行う方式として、遅延検波方式があります。

遅延検波では、搬送波発生回路の代わりに、1シンボル前の信号を搬送波発生回路の代わりに利用します。

同期検波よりも簡単な分、ビット誤り率は同期検波よりも悪くなることが知られています。

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