第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年10月 無線工学(A)問10

2024-11-10

問題

次の記述は、マイクロ波通信等におけるダイバーシティ方式について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):ダイバーシティ方式とは、同時に回線品質が劣化する確率が小さい二つ以上の通信系を設定して、それぞれの通信系の出力を選択又は合成することにより( A )の影響を軽減するものである。
  • (2):十分に遠く離した二つ以上の伝送路を設定し、これを切り替えて使用する方法は( B )ダイバーシティ方式といわれる。
  • (3):二つの受信アンテナを空間的に離すことにより二つの伝送路を構成し、この出力を合成又は選択する方法は( C )ダイバーシティ方式といわれる。
ABC
1フェージングルートスペース
2フェージングルート偏波
3フェージング周波数スペース
4内部雑音ルートスペース
5内部雑音周波数偏波

解答

1

解説

携帯電話で良く使われている技術がダイバーシティです。

MIMOなどの複数アンテナを用いる技術をはじめ、無線通信では、このダイバーシティという考え方がよく用いられています。

ダイバーシティ

無線通信の世界では、マルチパスフェージングにより、受信信号が劣化します。

このマルチパスフェージングの対策として、アンテナを複数設置し、それを十分距離を離して設置します。

というのも、十分離すことで、受信する信号の電力がアンテナごとに違くなります。

すると、一方のアンテナでの受信電力が落ち込んだとしても、もう一方のアンテナが落ち込まなければ、もう一方のアンテナのほうで信号を受信すればよいのです。

このように、複数の信号の受信することで、信号の電力や品質を向上させる技術をダイバーシティといいます。

特に、複数のアンテナを用意するダイバーシティ方式を、空間ダイバーシティまたはスペースダイバーシティといいます。

同じ考え方をアンテナではなく、周波数を分けて複数の信号を受信することを周波数ダイバーシティ、偏波方式で分ける方法を偏波ダイバーシティ、データが通ってきた経路にて分けることをルートダイバーシティといいます。

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