第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和6年10月 無線工学(A)問8

2024-11-08

問題

次の記述は、デジタル信号の復調(検波)方式について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):一般に、搬送波電力対雑音電力比(C/N)が同じとき、理論上では同期検波は遅延検波に比べ、符号誤り率が( A )。
  • (2):同期検波は、受信信号から再生した( B )を基準信号として用いる。
AB
1大きい包絡線
2大きい搬送波
3小さい包絡線
4小さい搬送波

解答

4

解説

復調(検波)

送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。

特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。

検波には、同期検波と遅延検波の2つの方法があります。

同期検波

検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。

例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。

搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。

ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。

これが同期検波の仕組みです。

同期検波は、遅延検波よりビット誤り率が優れています。

遅延検波

ただし、同期検波では搬送波再生回路が必要となるため、より安価・簡単な回路構成で検波を行う方式として、遅延検波方式があります。

遅延検波では、搬送波発生回路の代わりに、1シンボル前の信号を搬送波発生回路の代わりに利用します。

同期検波よりも簡単な分、ビット誤り率は同期検波よりも悪くなることが知られています。

-第一級陸上特殊無線技士
-,

© 2024 はちさんの通信系資格ブログ