第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(B)問11

2023-01-03

問題

次の記述は、図に示すBPSK(2PSK)信号の復調回路の構成例について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):この復調回路は、同期検波方式を用いている。
  • (2):位相検波回路で入力のBPSK信号と搬送波再生回路で再生した搬送波との( A )を行い、低域フィルタ(LPF)、識別再生回路及びクロック再生回路によってデジタル信号を復調する。
  • (3):搬送波再生回路は、周波数2逓倍回路、帯域フィルタ(BPF)、位相同期ループ(PLL)及び1/2分周回路で構成されており、入力のBPSK信号の位相がデジタル信号に応じてπ[rad]変化したとき、搬送波再生回路の帯域フィルタ(BPF)の出力の位相は、( B )。
AB
1足し算π[rad]変化する
2足し算π/2[rad]変化する
3足し算変わらない
4掛け算π/2[rad]変化する
5掛け算変わらない

解答

5

解説

同期検波を用いた復調

送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。

検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。

例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。

搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。

ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。

これが同期検波の仕組みです。

※参考

BPSK信号では周波数を2逓倍しても、位相は変わりません。

$$\begin{eqnarray} y_1&=&A\cos{(\omega t+\theta)} \\ y_2&=&A\cos{(2\omega t+\theta)} \end{eqnarray}$$

上記式のように、周波数を何倍しても、位相差Θは変わりません。

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