第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和2年10月 無線工学(A)問7

2020-12-04

問題

図に示す断面を持つ同軸ケーブルの特性インピーダンスZを表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、絶縁体の比誘電率は1とする。また、同軸ケーブルは使用波長に比べ十分に長く、無限長線路とみなすことができるものとする。

  1. Z=138log10(D+d)/(D-d) [Ω]
  2. Z=276log10(2D/d) [Ω]
  3. Z=138log10(d/D) [Ω]
  4. Z=276log10(D/2d) [Ω]
  5. Z=138log10(D/d) [Ω]

解答

5

解説

特性インピーダンス

電波や高周波の信号の世界では、特性インピーダンスZという伝送路の性質を表す値があり、下記の様に電界Eと磁界Hの比で表されます。

$$Z=\frac{E}{H} [\rm \Omega]$$

特性インピーダンスはあくまで「伝送路の性質」を表す値であって、信号の抵抗値(流れにくさ)を表す値ではありません。

例えば、テレビの同軸ケーブルは特性インピーダンスが75Ωであることが多いですが、これは同軸ケーブルが75Ωの抵抗を持っているという意味ではなく、電界・磁界の比が75の信号を通すことができる、という意味合いで使われます。

「特性インピーダンス」は、伝送線路の「特性」を表しているのであって、実際にそのインピーダンスを持つ負荷(インダクタやコイル、抵抗など)が存在しているわけではないです。
「特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブル」と言うと、「電圧・電流比が50Ωの信号を通すことができる特性を持っている同軸ケーブル」を意味しています。決してケーブル自身が50Ωの負荷を持っている訳ではありません。

特性インピーダンスについて - 特性インピーダンスといわゆるインピーダン… - Yahoo!知恵袋

同軸ケーブルの特性インピーダンス

同軸ケーブルの特性インピーダンスZ0は下記の公式で求められます。

$$\begin{eqnarray} Z_0=\frac{138}{\sqrt{\varepsilon _r}}\log_{10}\frac{D}{d} [\rm \Omega] \end{eqnarray}$$

ここで、εrは比誘電率、Dは外部導体の直径[m]、dは内部導体の直径[m]を表します。

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