第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(A)問1

2022-11-30

問題

次の記述は、対地静止衛星を利用する通信について述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。

  1. 衛星の電源には太陽電池が用いられるため、年間を通じて電源が断となることがないので、蓄電池等は搭載する必要がない。
  2. 衛星通信に10[GHz]以上の電波が用いられる場合は、大気圏の降雨による減衰が少ないので、信号の劣化も少ない。
  3. VSAT制御地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを、VSAT地球局には大口径のカセグレンアンテナを用いることが多い。
  4. 電波が、地球上から通信衛星を経由して再び地球上に戻ってくるのに約0.1秒を要する。
  5. 3個の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。

解答

5

解説

静止衛星について

1.衛星の電源には太陽電池が用いられるため、年間を通じて電源が断となることがないので、蓄電池等は搭載する必要がない。
→誤り。太陽電池は、ソーラーパネルで発電した電気を蓄電池で保存して利用するため、蓄電池は必須です。

2.衛星通信に10[GHz]以上の電波が用いられる場合は、大気圏の降雨による減衰が少ないので、信号の劣化も少ない。
→誤り。降雨減衰は周波数の高い領域で影響を受けます。

3.VSAT制御地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを、VSAT地球局には大口径のカセグレンアンテナを用いることが多い。
→誤り。記述が反対。VSAT制御地球局には大口径のカセグレンアンテナを、VSAT地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを用います。VSAT(Very Small Aperture Terminal)とは、通信衛星を用いた通信システムのことです。

4.電波が、地球上から通信衛星を経由して再び地球上に戻ってくるのに約0.1秒を要する。
→誤り。地球が衛星を経由して戻ってくるには、約0.24秒かかります。

5.3個の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。
→正しい。理論上は3つの衛星で地球をカバーできます。

電波が通信衛星を経由して地球に戻る時間

時間=距離/速さの関係式を用いて計算します。衛星が赤道の上空約36,000 [km]に回っているとすると、地球~衛星間距離は往復で72,000 [km]です。

また、電波の速さは、光速と等しく3.0×108 [m/s]です。これより、時間t [s]は、

$$\begin{eqnarray} t=\frac{72,000\times10^3}{3.0\times10^8}=24/100=0.24[\rm s] \end{eqnarray}$$

と求めることができます。

-第一級陸上特殊無線技士
-,

© 2023 はちさんの通信系資格ブログ