第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年2月 無線工学(B)問10

2021-04-01

問題

図は、2相PSK(BPSK)信号に対して遅延検波を適用した復調器の原理的構成例である。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

AB
1乗算器高域フィルタ(HPF)
2乗算器低域フィルタ(LPF)
3π/2移相器低域フィルタ(LPF)
4π/2移相器高域フィルタ(HPF)
5π/2移相器帯域フィルタ(BPF)

解答

2

解説

復調(検波)

同期検波

送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。

検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。

例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。

搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。

ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。

これが同期検波の仕組みです。

遅延検波

ただし、同期検波では搬送波再生回路が必要となるため、より安価・簡単な回路構成で検波を行う方式として、遅延検波方式があります。

遅延検波では、搬送波発生回路の代わりに、1シンボル前の信号を搬送波発生回路の代わりに利用します。

同期検波よりも簡単な分、ビット誤り率は同期検波よりも悪くなることが知られています。

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