第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年2月 無線工学(A)問17

2021-03-20

問題

15[GHz]の周波数の電波で使用する回転放物面の開口面積が1.0[m2]で絶対利得が43[dB]のパラボラアンテナの開口効率の値として、最も近いものを下の番号から選べ。

  1. 52[%]
  2. 56[%]
  3. 60[%]
  4. 64[%]
  5. 68[%]

解答

4

解説

公式

下記3つの関係式を用います。

①アンテナの開口効率

アンテナの開口効率ηは、アンテナの実効面積Ae、アンテナの開口面積Aを用いて、下記のように表されます。

$$\eta=\frac{A_e}{A}$$

ここで、実効面積Aeとはアイソトロピックアンテナといって、全方向に放射するという仮想的なアンテナを基準とした場合の面積をいいます。

また、開口面積Aは実際のアンテナの表面積です。

②アンテナの利得

アンテナの利得Gは、アンテナの実効面積Aeと波長λを用いて、下記で表されます。

$$G=\frac{4\pi}{\lambda^2}A_e$$

③波長

また、光速c、波長λ、周波数fには下記の関係があります。

$$c=f\lambda$$

解き方

この3つの関係式を用いて、問題を解きます。

まず、利得43[dB]を真数に戻します。

$$\begin{eqnarray} 43&=&10\log_{10}{G} \\ 4.3&=&\log_{10}{G} \\ \end{eqnarray}$$

ここで、4.3は、4と0.3に分けて、下記のように変換できます。

$$\begin{eqnarray} 4.3&=&4+0.3 \\ &=&\log_{10}{10^4}+\log_{10}{2} \\ &=&\log_{10}{(2\times10^4)} \end{eqnarray}$$

したがって、

$$\begin{eqnarray} G=2\times10^4 \end{eqnarray}$$

次に、②と③を用いて、アンテナの実効面積Aeを求めます。

$$\begin{eqnarray} G&=&\frac{4\pi}{\lambda^2}A_e \\ 2\times10^4&=&\frac{4\pi}{\frac{c^2}{f^2}}A_e \\ &=&\frac{4\pi f^2}{c^2}A_e \\ &=&\frac{4\times \pi \times 15^2 \times 10^{18}}{3.0^2 \times 10^{16}}A_e \\ A_e &=&\frac{2\times 10^4 \times 3.0^2 \times 10^{16}}{4\times \pi \times 15^2 \times 10^{18}} \\ &=&\frac{2}{\pi} \\ \end{eqnarray}$$

したがって、①の式より、開口効率は下記のように求められます。

$$\begin{eqnarray} \eta&=&\frac{A_e}{A}\\ &=&\frac{2}{\pi}\\ &=&\frac{2}{3.14}\\ &=&0.637 \end{eqnarray}$$

これより、64[%]が一番近い値となります。

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