第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和3年2月 無線工学(A)問3

2021-03-06

問題

図に示す抵抗R=50[Ω]で作られた回路において、端子ab間の合成抵抗の値として、正しいものを下の番号から選べ。

  1. 50[Ω]
  2. 75[Ω]
  3. 100[Ω]
  4. 125[Ω]
  5. 150[Ω]

解答

2

解説

この問題は解き方が2つあります。解き方1がベーシックな解き方です。

解き方2はテクニック的な側面があるため、参考として記載しました。

解き方1:キルヒホッフの法則を使う方法

回路全体に流れる電流をIとすると、各接点に流入する電流と流出する電流は等しいので、各抵抗に流れる電流を下図のように書くことができます。

続いて、ab間の経路1つを考えます。

回路全体の電圧と各抵抗で発生する電圧の和は等しいため、合成抵抗R0、各抵抗R、Iを用いて、全体の電圧Vは下記のように展開できます。

$$\begin{eqnarray} V=R_0I=\frac{1}{2}RI+\frac{1}{4}RI+\frac{1}{4}RI+\frac{1}{2}RI \end{eqnarray}$$

この式を整理して、R0について解きます。

$$\begin{eqnarray} R_0I&=&\frac{1}{2}RI+\frac{1}{4}RI+\frac{1}{4}RI+\frac{1}{2}RI \\ &=&RI+\frac{1}{2}RI \\ R_0&=&\frac{3}{2}R \end{eqnarray}$$

R=50[Ω]を代入すると、R0を求めることができます。

$$\begin{eqnarray} R_0&=&\frac{3}{2}\times50=75[\Omega] \\ \end{eqnarray}$$

解き方2:回路の対称性を使う方法

もう一つの解き方として、回路の対称性を用いる方法があります。

線対称な回路は、単純化な並列回路に置き換える事ができる、という性質を持ちます。

さらに、線対称な回路は、対称となる回路を、独立して切り離してしまうことができます。

では、この2つの性質を使って、問題を解いてみます。

まず、問題の回路について、対称となる回路を分けてみます。

この赤の部分を取り出すと、下記のような直並列回路として見ることができます。

抵抗をRとして、合成抵抗R1を求めます。

$$\begin{eqnarray} R_1&=&R+\frac{2R\times2R}{2R+2R}+R \\ &=&2R+R \\ &=&3R \end{eqnarray}$$

したがって、問題文の回路は、下記の回路に置き換えることができます。

合成抵抗R0を下記のように求めます。

$$\begin{eqnarray} R_0&=&\frac{3R\times3R}{3R+3R} &=&\frac{3}{2}R \end{eqnarray}$$

R=50[Ω]を代入して、R0を求めます。

$$\begin{eqnarray} R_0&=&\frac{3\times50}{2}=75[\Omega] \end{eqnarray}$$

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