第一級陸上特殊無線技士

一陸特 平成31年2月 無線工学(B)問1

2022-01-30

問題

次の記述は、静止衛星通信の特徴について述べたものである。内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):衛星と地球局間の距離が37,500kmの場合、往路及び復路の両方の通信経路が静止衛星を経由する電話回線においては、送話者が送話を行ってからそれに対する受話者からの応答を受け取るまでに、電波の伝搬による遅延が約( A )あるため、通話の不自然性が生じることがある。
  • (2):静止衛星は、( B )の頃の夜間に地球の影に入るため、その間は衛星に搭載した蓄電池で電力を供給する。
  • (3):( C )個の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。
ABC
10.5秒夏至及び冬至2
20.5秒春分及び秋分3
30.1秒春分及び秋分2
40.1秒夏至及び冬至3

解答

2

解説

電波が通信衛星を経由して地球に戻る時間

時間=距離/速さの関係式を用いて計算します。

衛星が地球局から約37,500 [km]の高さで回っているとすると、地球局~衛星間距離は往復で75,000 [km]です。

また、電波の速さは、光速と等しく3.0×108 [m/s]です。

これより、発信者→受信者までの往路にかかる時間t [s]は、

$$\begin{eqnarray} t=\frac{75,000\times10^3}{3.0\times10^8}=25/100=0.25[\rm s] \end{eqnarray}$$

と求めることができます。

復路も同様に0.25[s]かかるので、送話を行ってその応答を受け取るには、合わせて0.5[s]かかります。

静止衛星について

  • ソーラーパネルで発電した電気を蓄電池で保存して利用するため、蓄電池は必須です。特に、春分や秋分には衛星が地球の影に入り、発電しない時期があります。これを衛星食といいます。
  • 理論上は3つの通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できます。

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