問題
次の記述は、地上系のマイクロ波(SHF)多重通信において生ずることのある干渉について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
- (1):無線中継所などにおいて、正規の伝搬経路以外から、目的の周波数又はその近傍の周波数の電波が受信されるために干渉を生ずることがある。干渉は、( A )を劣化させる要因の一つになる。
- (2):中継所のアンテナどうしのフロントバックやフロントサイド結合などによる干渉を軽減するため、指向特性の( B )以外の角度で放射レベルが十分小さくなるようなアンテナを用いる。
- (3):ラジオダクトの発生により、通常は影響を受けない見通し距離外の中継局から( C )による干渉を生ずることがある。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 回線品質 | 主ビーム | オーバーリーチ |
2 | 回線品質 | サイドローブ | ナイフエッジ |
3 | 回線品質 | 主ビーム | ナイフエッジ |
4 | 拡散率 | サイドローブ | オーバーリーチ |
5 | 拡散率 | サイドローブ | ナイフエッジ |
解答
1
解説
マイクロ波における干渉に関する問題です。(マイクロ波は周波数300MHz~30GHzの電波のこと)
干渉は回線の品質が劣化を引き起こします。なぜなら、電波の干渉によってビット誤りが発生し、データが正しく送れなくなるからです。そのため、干渉対策が非常に重要になってきます。
アンテナの指向性
下図のように、アンテナの放射パターンの中で、最も強い出力の部分の事を言います。
送信アンテナは、送信したい方向にメインビームが向くように設置します。
理想的には、それ以外の方向には、電波が放出しないことが理想的です。
しかし、アンテナの放射パターンには、バックローブやサイドローブによって、電波を出したくない方向にも電波が放出されてしまいます。
その結果、意図しない方向に電波の発射されてしまい、他の局に干渉を与えてしまうことがあります。
ラジオダクト
気象条件や天候により、大気の屈折率が変化します。すると、大気中に、電波がうまく反射して遠くへ届いてしまう層ができてしまうことがあります。
これをラジオダクトと呼んでいます。
オーバーリーチ干渉
ラジオダクトなどによる想定外の伝搬によって、本来意図していないエリアに電波が届き、干渉を引き起こしてしまいます。
これをオーバーリーチ干渉と呼びます。
オーバーリーチ干渉を避けるには、無線局のビーム方向に、他の無線局が直線的に揃わないようにカバーエリアを設計します。