問題
次の記述は、一般的なデジタル方式のテスタ(回路計)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
- 入力回路には保護回路が入っている。
- 動作電源が必要であり、特に乾電池動作の場合、電池の消耗に注意が必要である。
- アナログ方式のテスタ(回路計)に比べ、指示の読取りに個人差がない。
- アナログ方式のテスタ(回路計)に比べ、電圧を測るときの入力抵抗が低い。
- 電圧、電流、抵抗などの測定項目を切換える際は、テストリード(棒)を測定箇所からはずした後行う。
解答
4
解説
デジタルマルチメータ
電流、電圧、抵抗を測定するための計器をテスターといい、特に表示部がデジタルで表示されるものをデジタルマルチメータ(デジタルテスター)といいます。
デジタルマルチメータの内部抵抗は、アナログに比べて大きく、電圧測定に優れています。
内部抵抗が大きいほうが良い理由
では、なぜ電圧測定では内部抵抗が大きいほうが良いのでしょうか?
例えば左側の回路について、抵抗に加わる電圧を求めるとします。
抵抗に加わる電圧は、RIで求められます。
一方、電圧計を接続したのが右側の図です。
電圧計には内部抵抗rがあります。すると、抵抗の並列接続となり、電流Iが2つに分流します。
つまり、抵抗Rに流れる電流は、電流計を接続する前と比べ、内部抵抗へ流れる電流Irの分、減少します。
これより、抵抗Rの電圧も、R(I-Ir)となり、本来の電圧値RIに比べて減少し、誤差を生じてしまうのです。
対策
では、どうやったらこの誤差を小さくできるでしょうか?
先ほどの解説から、内部抵抗rへ分流する電流Irが小さければ小さいほどよい、と言えます。
では、分流を小さくするには、どうするかというと、答えは内部抵抗rを可能な限り大きくすればよいのです。
というのも、内部抵抗rが大きければ大きいほど電流が流れにくくなるからです。
このことは、数式からも分かります。I=V/Rより、RとIは反比例の関係にあるため、Rが大きいほどIが小さくなります。
そのため、電圧測定には、内部抵抗rが大きければ大きいほど誤差が小さくなるのです。