第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和元年6月 無線工学(B)問9

問題

次の記述は、16値直交振幅変調(16QAM)について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):16QAMは、周波数が等しく位相がπ/2[rad]異なる直交する2つの搬送波を、それぞれ( A )のレベルを持つ信号で変調し、それらを合成することにより得られる。
  • (2):一般的に、16QAMを4相位相変調(QPSK)と比較すると、16QAM の方が周波数利用効率が( B )。また、16QAMは、振幅方向にも情報が含まれているため、伝送路におけるノイズやフェージングなどの影響を( C )。
ABC
116値高い受けやすい
216値低い受けにくい
34値高い受けにくい
44値低い受けにくい
54値高い受けやすい

解答

5

解説

16QAMは下図のように、90°異なる2つの波を組み合わせ、更にそれぞれ4つに分割した変調方式です。

QAM(Quadrature Amplitude Modulation;直交振幅変調)

QAM(カム)とは、ディジタル変調の方式の1つで、振幅と位相を組み合わせ、0/1を割り当てる変調方式です。

一方、PSK(Phase-Shift Keying;位相偏移変調)は、信号の角度(位相)によって0/1の割り当てる方式です。

ディジタル変調方式の代表的なBPSK、QPSKと振幅、位相の関係を見てみましょう。

BPSKやQPSKは位相偏移変調(phase-shift keying, PSK)とその名の通り、信号の位置によって0/1の割り当てが決まり、振幅の大きさは気にしません。

つまり、振幅の大きさに寄らず、0か1かは信号の位相(位置)によって決まります。

一方、16QAMを見てみましょう。16QAMはQPSKと比較して、1つの90°刻みのエリアをさらに4つに分割しています。

16QAMでは、位相に加えて、振幅の大きさ(矢印の大きさ)も信号を割り当てる要素となっています。これがQAMの特徴です。

QPSKと16QAMを比較すると、QPSKは1度に2ビット送れることに対して、16QAMは4ビット送れますので、16QAMの方が周波数利用効率が高いと言えます。

ただし、シンボル間の距離は16QAMの方が短いため、シンボル誤りに弱い(=ノイズや干渉に弱い)という欠点があります。

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