第一級陸上特殊無線技士

一陸特 平成30年10月 無線工学(B)問11

2022-10-23

問題

次の記述は、ダイバーシティ方式について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. ダイバーシティ方式は、同時に回線品質が劣化する確率が大きい複数の通信系を設定して、その受信信号を切り替えるか又は合成することで、フェージングによる信号出力の変動を軽減するための方法である。
  2. 垂直偏波と水平偏波のように直交する偏波のフェージングの影響が異なることを利用したダイバーシティ方式を、偏波ダイバーシティ方式という。
  3. 周波数によりフェージングの影響が異なることを利用して、二つの異なる周波数を用いるダイバーシティ方式を、周波数ダイバーシティ方式という。
  4. 2基以上のアンテナを空間的に離れた位置に設置して、それらの受信信号を切り替えるか又は合成するダイバーシティ方式を、スペースダイバーシティ方式という。

解答

1

解説

「同時に回線品質が劣化する確率が小さい」が正しい記述です。

携帯電話で良く使われている技術がダイバーシティです。

MIMOなどの複数アンテナを用いる技術をはじめ、無線通信では、このダイバーシティという考え方がよく用いられています。

ダイバーシティ

無線通信の世界では、マルチパスフェージングにより、受信信号が劣化します。

このマルチパスフェージングの対策として、アンテナを複数設置し、それを十分距離を離して設置します。

というのも、十分離すことで、受信する信号の電力がアンテナごとに違くなります。

すると、一方のアンテナでの受信電力が落ち込んだとしても、もう一方のアンテナが落ち込まなければ、もう一方のアンテナのほうで信号を受信すればよいのです。

このように、複数の信号の受信することで、信号の電力や品質を向上させる技術をダイバーシティといいます。

特に、複数のアンテナを用意するダイバーシティ方式を、空間ダイバーシティまたはスペースダイバーシティといいます。

同じ考え方をアンテナではなく、周波数を分けて複数の信号を受信することを周波数ダイバーシティ、偏波方式で分ける方法を偏波ダイバーシティ、データが通ってきた経路にて分けることをルートダイバーシティといいます。

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