問題
PCM方式で音声信号を伝送するとき、一般に、入力する音声信号の大小にかかわらず、伝送後の信号電力と量子化雑音電力との比をほぼ一定にするために、音声信号に対して圧縮、伸張の処理が行われる。この場合、圧縮器には、( )で表される入出力特性を持たせ、伸張器にはその逆の特性を持たせる。
解答
3
解説
アナログ信号をディジタル信号に変換するには、標本化、量子化、符号化という3ステップを踏みます。
中でも量子化は、標本化したパルスを、一番近いレベルへ近似することをいいます。
量子化を行うと、本来の信号の電圧と一番近いレベルの電圧には誤差が生じることになります。これを量子化誤差や量子化雑音といいます。
上記の例では、きれいな正弦波を例に出しましたが、実際の信号はジグザグしており、振幅の大きい値を取る回数よりも、0付近を通る回数が多くなります。
そのため、信号の入力が小さいと、量子化雑音が大きくなってしまいます。
その結果、信号のSN比が悪くなるのです。
そこで、均等に量子化のステップを取るのではなく、0付近を細かく、振幅が大きい箇所では荒く、量子化ステップを刻むようにします。
これを非直線量子化といいます。
非直線量子化の入出力特性のイメージを下記に示します。
※参考文献:
音声圧縮処理の基本 ―― 音楽CDやWAVファイルで使われている波形符号化方式|Tech Village (テックビレッジ) / CQ出版株式会社