伝送交換主任技術者 線路主任技術者 電気通信主任技術者

電気通信主任技術者 令和元年第2回 電気通信システム問7

2021-05-17

問題

図に示すように、異なる特性インピーダンスZ01、Z02の線路を接続して信号を伝送したとき、その接続点における電圧反射係数をmとすると、電流反射係数は、(  )で表される。

  1. -m
  2. 1-m
  3. m
  4. m+1
  5. 1/m

解答

1

解説

電流反射係数=-電圧反射係数なので、1番が正しい。

反射係数

異なる特性インピーダンスの伝送路同士を接続すると、反射波といって、信号の一部が戻ってきてしまい、電力損失が発生します。

入射波と反射波の電圧の割合を電圧反射係数または反射係数といい、下記式で表されます。

$$\begin{eqnarray} \Gamma=\frac{V_r}{V_i}=\frac{Z_L-Z_0}{Z_L+Z_0} \end{eqnarray}$$

Viは入射波の電圧、Vrは反射波の電圧を表します。

ZL=Z0となっている状態を整合といい、整合している時に反射波が0となり、反射係数も0となります。

同様に、入射波と反射波の電流の割合を電流反射係数といい、入射波の電流をIi、反射波の電流Irとすると、電流反射係数Γiは下記のように表されます。

$$\begin{eqnarray} \Gamma _i=\frac{I_r}{I_i}=-\Gamma \end{eqnarray}$$

また、反射の度合いを表す数字として、他にVSWR(電圧定在波比、Voltage Standing Wave Ratio)という表し方もあります。

電圧定在波比は、定在波(入射波と反射波を足したもの。)の電圧最大値と最小値の比で表され、反射係数を使って下記の様に変換できることが知られています。

$$\begin{eqnarray} VSWR=\frac{V_{\rm max}}{V_{\rm min}}=\frac{1+|\Gamma|}{1-|\Gamma|} \end{eqnarray}$$

VSWR=1の時が反射がない状態を表し、反射が多くなるほどVSWRが大きくなっていきます。

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