第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和元年10月 無線工学(B)問12

問題

次の記述は、デジタル無線通信における同期検波について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 同期検波は、受信した信号から再生した基準搬送波を使用して検波を行う。
  2. 同期検波は、低域フィルタ(LPF)を使用する。
  3. 同期検波は、PSK通信方式で使用できない。
  4. 同期検波は、一般に遅延検波より符号誤り率特性が優れている。

解答

3

解説

  1. 同期検波は、受信した信号から再生した基準搬送波を利用するため、正しい。
  2. 同期検波は、低域通過フィルタ(LPF、Low Pass Filter)を利用するため、正しい。
  3. 同期検波は、PSK通信方式で利用できるため、誤り。
  4. 同期検波は、遅延検波より符号誤り率特性が優れているため、正しい。

復調(検波)

同期検波

送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。

検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。

例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。

搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。

ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。

これが同期検波の仕組みです。

遅延検波

ただし、同期検波では搬送波再生回路が必要となるため、より安価・簡単な回路構成で検波を行う方式として、遅延検波方式があります。

遅延検波では、搬送波発生回路の代わりに、1シンボル前の信号を搬送波発生回路の代わりに利用します。

同期検波よりも簡単な分、ビット誤り率は同期検波よりも悪くなることが知られています。

-第一級陸上特殊無線技士
-,

© 2024 はちさんの通信系資格ブログ