問題
次の記述は、スペクトルアナライザに必要な特性の一部について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
- (1):任意の周波数の信号が常に同じ確度で測定できるように、測定周波数帯域内で周波数応答が( A )特性を持っていること。
- (2):大きな振幅差のある複数信号を誤差なしに表示できるように、( B )が十分広くとれること。
- (3):互いに周波数が接近している二つ以上の信号を十分な( C )で分離できること。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | オーバーシュート | 残留レスポンス | 分解能 |
2 | オーバーシュート | 残留レスポンス | 半値角 |
3 | オーバーシュート | ダイナミックレンジ | 分解能 |
4 | 平坦な | 残留レスポンス | 半値角 |
5 | 平坦な | ダイナミックレンジ | 分解能 |
解答
5
解説
スペクトルアナライザ(Spectrum Analyzer)
スペクトルアナライザ(またはスペクトラムアナライザ)は、信号を周波数軸でグラフを表示する測定器です。
信号計測のイメージを下記に示します。
1つの信号に対して、時間軸という観点で計測するにはオシロスコープを使い、周波数軸という観点で計測するにはスペクトルアナライザを使います。
横軸 | 縦軸 | |
---|---|---|
スペクトルアナライザ | 周波数 | 電圧、電力、電流 |
オシロスコープ | 時間 | 電圧、電力、電流 |
ダイナミックレンジと分解能
ダイナミックレンジとは、音響や映像、画像などにおける信号の大きさの範囲を表す指標で、最大値と最小値の比率のことをいいます。スペクトルアナライザの場合は複数の同時に入力した信号のレベル差をいい、ダイナミックレンジが広いほど、複数の信号を測定できるようになります。
分解能とは、信号を測定したときに、どこまで細かく観測・描写できるかの能力のことをいいます。スペクトルアナライザの場合は周波数分解能ともいい、入力した信号をどの周波数の範囲まで観測できるか、また複数の信号を区別して表示できるか、を示す能力を指します。