問題
次の記述は、デジタル無線通信の伝送路で発生する誤り及びその対策の一例について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。なお、同じ記号の( )内には、同じ字句が入るものとする。
- (1):デジタル無線通信で生ずる誤りには、( A )誤りと( B )誤りがある。( A )誤りは、送信した個々のビットに独立に発生する誤りであり、主として受信機の熱雑音によって引き起こされる。( B )誤りは、部分的に集中して発生する誤りであり、一般にマルチパスフェージングなどにより引き起こされる。
- (2):( B )誤りの対策の一つとして、送信側において送信する符号の順序を入れ替える( C )を行い、受信側で受信符号を元の順序に戻すことにより( B )誤りの影響を軽減する方法がある。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | バースト | ランダム | デインターリーブ |
2 | ランダム | バースト | インターリーブ |
3 | バースト | ランダム | プレエンファシス |
4 | ランダム | バースト | デインターリーブ |
5 | バースト | ランダム | インターリーブ |
解答
2
解説
データ誤り
送信側から受信側へデータを送信する際に、雑音や干渉、フェージングなどによって、データ誤りが生じることがあります。
データ誤りには、下記の2種類があります。
- ランダム誤り:ビット列全体に対して、散発的に発生する誤り。主に雑音により発生。
- バースト誤り:短時間で特定のビット列にデータ誤りが集中した誤り。主に干渉やマルチパスフェージングによって発生。
通常、誤り検出・訂正符号はバイト単位などの一定の長さごとに付与されます。
ランダム誤りの場合は、この一定の長さの中の数ビット程度の誤りであるため、誤り検出・訂正ができます。
しかし、バースト誤りはこの一定の長さの中のビットほとんどが誤ってしまうため、訂正することができません。
そのため、通信ではこのバースト誤りが特に問題になってきます。
インターリーブ
バースト誤りの対策として、インターリーブと呼ばれる手法があります。
インターリーブは、データの順序を入れ替えて、バースト誤りを分散させることをいいます。
下図のように、元のビット列を一定区間ごとに区切り、縦に並べ替えます。
すると、バースト誤りが発生したとしても、元の順番に並べ替えると、誤りが分散し、ランダム誤りとみなすことができます。
このとき、データの順番を入れ替えることをインターリーブ、元の順番に戻すことをデインターリーブと言います。