第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和4年10月 無線工学(B)問20

2023-01-12

問題

次の記述は、自由空間における電波伝搬について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

(1):等方性アンテナから、距離d[m]のところにおける自由空間電界強度E[V/m]は、放射電力をP[W]とすると、次式で表される。

$$\begin{eqnarray} E=\frac{\sqrt{30P}}{d}[\rm{V/m}] \end{eqnarray}$$

また、半波長ダイポールアンテナに対する相対利得G(真数)のアンテナの場合、最大放射方向における自由空間電界強度Er[V/m]は、次式で表される。

Er≒( A )[V/m]

(2):半波長ダイポールアンテナに対する相対利得が14[dB]の指向性アンテナに、4[W]の電力を供給した場合、最大放射方向で送信点からの距離が12.5[km]の受信点における電界強度の値は、約( B )[V/m]である。ただし、アンテナ及び給電系の損失はないものとし、log102の値は0.3とする。

AB
17√(GP)/d4.0×10-3
27√(GP)/d5.6×10-3
3G√(30P)/d17.5×10-3
4G√(30P)/d21.9×10-3

解答

2

解説

半波長ダイポールアンテナの電界強度

半波長ダイポールアンテナの電界強度E[V/m]は、下記の式で求められます。

$$\begin{eqnarray} E=\frac{7\sqrt{GP}}{d} [\rm{V/m}] \end{eqnarray}$$

ここで、電力P[W]、送受信点間の距離d[m]、アンテナの相対利得Gを表しています。

これに代入するのですが、問題文中の相対利得がデシベル表記になっているため、真数に戻します。

$$\begin{eqnarray} 14&=&10\log_{10}{G} \\ &=&2 \times (10-3) \\ &=&2 \times (10\log_{10}{10}-10\log_{10}{2}) \\ &=&2 \times 10\log_{10}{\frac{10}{2}} \\ &=&20\log_{10}{5} \\ &=&10\log_{10}{5^2} \\ G&=&25 \end{eqnarray}$$

値を代入します。

$$\begin{eqnarray} E&=&\frac{7\sqrt{GP}}{d} \\ &=&\frac{7\sqrt{25\times4}}{12.5\times10^3} \\ &=&\frac{7\times10}{\frac{100}{8}\times10^3} \\ &=&\frac{7\times8\times10}{100\times10^3} \\ &=&56\times10^{-4} \\ &=&5.6\times10^{-3}[\rm{V/m}] \end{eqnarray}$$

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