問題
図は、2相PSK(BPSK)信号に対して同期検波を適用した復調器の原理的構成例である。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
A | B | |
---|---|---|
1 | クロック再生回路 | 高域フィルタ(HPF) |
2 | クロック再生回路 | 帯域フィルタ(BPF) |
3 | クロック再生回路 | 低域フィルタ(LPF) |
4 | 搬送波再生回路 | 低域フィルタ(LPF) |
5 | 搬送波再生回路 | 高域フィルタ(HPF) |
解答
4
解説
復調(検波)
同期検波
送信側から送られた変調信号から、受信側で元の信号を取り出すこと復調といいます。特に、無線の世界においては、復調を検波と呼ぶことがあります。
検波の方式で、代表的なものが同期検波です。同期検波は、受信信号から基準搬送波を再生し、それを掛け合せる方式です。
例として、下記の構成図では、BPSK信号として、Acosωtの信号を受信したとします。
搬送波cosωtを掛け合せ、半角の公式で展開すると、A/2+A/2cos2ωtと展開できます。
ここで、A/2cos2ωtを低域通過フィルタでカットすると、A/2だけが残り、BPSKの識別器で「0」と判定されます。
これが同期検波の仕組みです。
遅延検波
ただし、同期検波では搬送波再生回路が必要となるため、より安価・簡単な回路構成で検波を行う方式として、遅延検波方式があります。
遅延検波では、搬送波発生回路の代わりに、1シンボル前の信号を搬送波発生回路の代わりに利用します。
同期検波よりも簡単な分、ビット誤り率は同期検波よりも悪くなることが知られています。