問題
伝送する情報量を一定とし、1符号(シンボル)当たりの多値レベル数を大きくすると、( )。
- 変調速度は低減できるが、耐雑音特性には関係がない
- 変調速度は低減できるが、耐雑音特性は低下する
- 変調速度には関係しないが、耐雑音特性は改善される
- 変調速度は高くなるが、耐雑音特性は改善される
- 変調速度は高くなるが、耐雑音特性には関係がない
解答
2
解説
変調速度とは、1秒あたりの変調の回数を表し、ボーレートともいいます。
単位として[baud](ボー)が用いられます。
具体的なボーレートの計算例を示します。
- BPSKで128[kbps]の伝送速度でデータを送る場合:
BPSKは、0か1の1ビットの信号を送る変調方式なので、伝送速度をビット数の1で割ります。
- QPSKで128[kbps]の伝送速度でデータを送る場合:
BPSKは、00か01か10か11の2ビットの信号を送る変調方式なので、同様に、伝送速度をビット数の2で割ります。
このように、変調多値数(1度に送れるビット数)を増やすと、ボーレートは下がっていきます。
しかし、伝送速度が速くなる一方で、変調多値数を上げると雑音に弱くなります。
ディジタル変調方式の代表的なBPSK、QPSK、16QAMと振幅、位相の関係を見てみましょう。
それぞれ、BPSKは1ビット、QPSKは2ビット、16QAMは4ビットを送ることができる変調方式です。
また、変調後の信号をシンボルと言います。
この変調多値数が大きくなるほど、各シンボルとシンボルの間の距離が短くなっていきます。
その結果、ノイズや干渉の影響により、シンボルの位置が動いた場合に、他のシンボルと間違って判定してしまう可能性が高くなってしまいます。
これが変調多値数を上げることのデメリットなのです。