問題
次の記述は、同軸ケーブルと方形導波管の一般的な特徴について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
- 同軸ケーブルの基本モードは、TEMモードである。
- 同軸ケーブルは、低い周波数の使用制限はないが、高い周波数には制限がある。
- 同軸ケーブルは、使用周波数が高くなると導体損と誘電損がともに減少する。
- 方形導波管の管内波長は、自由空間の波長よりも長い。
- 方形導波管は、遮断周波数以下の周波数の電磁波は伝送できない。
解答
3
解説
同軸ケーブルの構成
同軸ケーブル(coaxial cable)は、内部導体を絶縁体と外部導体で円状に取り囲んだケーブルで、テレビとアンテナを接続するケーブルとしてよく使われています。
外部導体で内部導体を保護することで、信号の外部への放出や、外部からの干渉波を防ぐことができます。


同軸ケーブルの特性インピーダンスZ0は下記の関係式で求められることが知られています。
$$Z_0=\frac{60}{\sqrt{\varepsilon}}\log_e{\frac{D}{d}}=\frac{138.1}{\sqrt{\varepsilon}}\log{\frac{D}{d}}$$下図の通り、logD/dはD/dが大きくなるほど大きくなります。そのため、D/dが大きくなると特性インピーダンスZ0も大きくなります。

また、同軸ケーブルには、大きく2つの損失が発生します。
- 誘電体損失
- 導体損失
同軸ケーブルの誘電体損失
同軸ケーブルは絶縁体(=誘電体)を内部に敷き詰めた構造をしています。
そのため、信号は誘電体損失により、減衰を起こしてしまいます。
誘電体損失P[W/km]は、下記の関係式で表されます。
$$P=2\pi fCV^2\tan\delta [\rm W/km]$$これより、同軸ケーブルの誘電体損失Pは周波数f[Hz]に比例するという特性を持っています。
ここで、Cは同軸ケーブルの持つ静電容量[F/km]、Vは電圧[V]、tanδは誘電正接を表します。
特に、tanδはタンデルタと読み、コンデンサの電気エネルギー損失の割合を表す値です。ケーブル内に存在する静電容量Cに流れる電流Ic、ケーブル内に存在する抵抗Rに流れる電流をIrとすると、下記式で表されます。
$$\tan\delta=\frac{I_r}{I_c}$$tanδは割合を示す値のため、[%]や小数で表されます。
同軸ケーブルの導体損失
高周波では、表皮効果により電流が導体の表面付近に集中するため、実効的な抵抗が増加し、損失が大きくなります。これを導体損失といいます。
表皮効果は、交流の電流を導体に流す時、周波数が高くなるほど、導体の中心部では電流が流れにくくなり、導体の外側にしか電流が流れなくなる現象のことです。
表皮効果のイメージを下記に示します。

表皮効果により電流が流れる断面積が減少するため、実効的な抵抗が増加し、伝送損失が大きくなります。