第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和7年10月 無線工学(B)問6

2025-12-16

問題

次の記述は、増幅器の雑音指数について述べたものである。(  )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

  • (1):増幅回路や四端子網において、入力端における信号の有能電力Siと雑音の有能電力Niとの比をSi/Ni、出力端における信号の有能電力Soと雑音の有能電力Noとの比をSo/Noとしたとき、雑音指数F(真数)は、F=( A )で表される。
  • (2):F(真数)の値は、増幅器の内部雑音が大きいときの方が、小さいときに比べて( B )。
AB
1(Si/Ni)/(So/No)小さい
2(Si/Ni)/(So/No)大きい
3(So/No)/(Si/Ni)小さい
4(So/No)/(Si/Ni)大きい

解答

2

解説

熱雑音、雑音電力

どのような回路や伝送路でも、ノイズ(雑音)が発生します。これはブラウン運動といって、どんな抵抗でも、絶対温度が0でない限り、その内部で電子が不規則に振動しまうことに起因しています。

これを総称して熱雑音、または単に雑音といっています。

雑音電力Pn[W]は下記の関係式を持つことが知られています。

$$\begin{eqnarray} P_n=kTB \end{eqnarray}$$

ここで、kはボルツマン定数 1.38×10-23 [J/K]、Tは絶対温度 T=[℃]+273.15 [K]、Bは帯域幅[Hz]を表します。

※雑音電力は、本によっては、Pn=4kTBと表記される場合もあります。

また、増幅器の入力信号と出力信号を比較したとき、どのくらいSNが劣化するかを示した値を雑音指数(Noise Factor、NF;エヌエフ)と言います。

NFは下記式で求められます。

$$\begin{eqnarray} NF&=&10\log_{10}\frac{S_i/N_i}{S_o/N_o} \\ &=&10\log_{10}\frac{N_o}{GkTB} \end{eqnarray}$$

ここでGは増幅器での増幅率を表します。

この式より、内部雑音が大きいほど、出力のSNが悪化する(小さくなる)ため、分母So/Noが小さくなることから、雑音指数Fは大きくなります。

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