第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和7年10月 無線工学(B)問5

2025-12-15

問題

次の記述は、半導体及び半導体素子について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 不純物を含まないSi(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)等の単結晶半導体を真性半導体という。
  2. PN接合ダイオードは、電流がN形半導体からP形半導体へ一方向に流れる整流特性を有する。
  3. P形半導体の多数キャリアは、正孔である。
  4. ツェナーダイオードは、主に逆方向電圧を加えたときの定電圧特性を利用する。

解答

2

解説

半導体素子について

1.不純物を含まないSi(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)等の単結晶半導体を真性半導体という。
→正しい。不純物を含まない半導体を真性半導体といいます。

2.PN接合ダイオードは、電流がN形半導体からP形半導体へ一方向に流れる整流特性を有する。
→誤り。ダイオードはP→Nの方向に電流が流れます。

3.P形半導体の多数キャリアは、電子である。
→正しい。上図の通り、P形半導体のキャリアは正孔です。PはPositiveのPで正孔、NはNegativeのNで電子、と覚えます。

4.ツェナーダイオードは、主に逆方向電圧を加えたときの定電圧特性を利用する。
→正しい。以下の通り、逆方向の電圧を加えたときの定電圧特性を利用するものです。

ツェナーダイオード

ツェナーダイオードは、定電圧ダイオードともよばれ、一定の電圧を取り出すために使われるダイオードです。

通常のダイオードと、ツェナーダイオードの比較を下記に示します。

通常のダイオードでは、電圧を上げていくと、約0.7[V]以上になったときに、ダイオードに電流が導通するようになります。

これを順方向特性といいます。

ツェナーダイオードも同様で、電圧を上げていくと、約0.7[V]以上になったときに、ダイオードに電流が導通するようになります。

一方、ツェナーダイオードには、別の特徴もあります。それが、逆方向特性です。

順方向と同じ考えで、マイナスの電圧をかけていくと、ある一定の電圧以上でダイオードに電流が導通するようになります。

これをツェナー降伏といいます。

逆を言えば、ツェナーダイオードにマイナスの電流が流れると、一定の電圧を得られる、ともいうことができます。

このように、ツェナーダイオードは、ツェナー降伏を利用して、定電圧を得る目的で使われています。

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