問題
次の記述は、図に示すQPSK変調器の原理的な構成例について述べたものである。( )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
- (1):分配器で分配された搬送波は、BPSK変調器1には直接、BPSK変調器2にはπ/2移相器を通して入力される。BPSK変調器1の出力の位相は、符号aiに対応して変化し、搬送波の位相に対して( A )[rad]の値をとる。また、BPSK変調器2の出力の位相は、符号biに対応して変化し、搬送波の位相に対してπ/2又は3π/2[rad]の値をとるので、それぞれの出力を合成(加算)することにより、QPSK波を得る。
- (2):このように、QPSKは、搬送波のπ/2[rad]おきの位相を用いて、1シンボルで( B )ビットの情報を送る変調方式である。

A | B | |
---|---|---|
1 | 0又はπ/4 | 4 |
2 | 0又はπ/4 | 2 |
3 | 0又はπ/2 | 2 |
4 | 0又はπ | 4 |
5 | 0又はπ | 2 |
解答
5
解説
PSK(Phase-Shift Keying;位相偏移変調)
PSK(ピーエスケー)とは、ディジタル変調の方式の1つで、信号の位相によってディジタルデータ(0/1)の割り当てを行う方式です。
ディジタル変調方式の代表的なBPSK、QPSKと振幅、位相の関係を見てみましょう。

例えば、BPSKでは、右半分か左半分かで0/1の割り当てを決めます。
具体的には、信号の位相が90°~270°の範囲(左半分)であれば0、0~90°と270°~360°の範囲(右半分)を1としています。
つまり、振幅の大きさに寄らず、信号の位相によって0か1かを決めるのです。
QPSKも同様です。QPSKでは90°刻みに信号を割り当てます。これによって、2ビットのデータを表現できます。