第一級陸上特殊無線技士

一陸特 令和7年2月 無線工学(A)問2

2025-03-24

問題

次の記述は、対地静止衛星を利用する通信について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

  1. 3機の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。
  2. 衛星の電源には太陽電池が用いられるため、年間を通じて電源が断となることがないので、蓄電池は搭載する必要がない。
  3. 衛星通信では、一般に送信地球局から衛星へのアップリンク用の周波数と衛星から受信地球局へのダウンリンク用の周波数が対で用いられる。
  4. 衛星通信に10[GHz]以上の電波を使用する場合は、大気圏の降雨による減衰を受けやすい。
  5. VSAT制御地球局には大口径のカセグレンアンテナを、VSAT地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを用いることが多い。

解答

2

解説

1.3機の通信衛星を赤道上空に等間隔に配置することにより、極地域を除く地球上のほとんどの地域をカバーする通信網が構成できる。
→正しい。理論上は3つの衛星で地球をカバーできます。

出典:RFワールド

2.衛星の電源には太陽電池が用いられるため、年間を通じて電源が断となることがないので、蓄電池は搭載する必要がない。
→誤り。太陽電池は、ソーラーパネルで発電した電気を蓄電池で保存して利用するため、蓄電池は必須です。

3.衛星通信では、一般に送信地球局から衛星へのアップリンク用の周波数と衛星から受信地球局へのダウンリンク用の周波数が対で用いられる。
→正しい。衛星通信ではアップリンクとダウンリンクの周波数を別に確保し、それを1つのペアとして用います。

例えば、VSATシステムでは、下記の様に周波数の割り当てがされています。

出典:総務省

4.衛星通信に10[GHz]以上の電波を使用する場合は、大気圏の降雨による減衰を受けやすい。
→正しい。降雨減衰は周波数の高い領域で影響を受けます。

5.VSAT制御地球局には大口径のカセグレンアンテナを、VSAT地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを用いることが多い。
→正しい。VSAT制御地球局には大口径のカセグレンアンテナを、VSAT地球局には小型のオフセットパラボラアンテナを用います。VSAT(Very Small Aperture Terminal)とは、通信衛星を用いた通信システムのことです。

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